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還暦

2012年9月

久しぶりの一献

「ちょうど良かった。御前様!冷や酒か、それとも燗にするか?」ある日の夕方、用があって近所の檀徒のお宅を訪ねたら、すぐに爺ちゃんに声をかけられました。88歳の爺ちゃんと60代の息子さんの二人暮らしなので、夕飯時は避けて訪問したのです。しかし遠慮もできず「じゃ、そこの焼酎をお湯割りでもらうよ。」「おう、それが一番楽だな。」用件を早々に済ませると、父子の夕飯のおかずをつまみに、男3人で酒盛りが始まりました。

数か月前に家族から米寿のお祝いをしてもらったことも忘れた爺ちゃんが「御前様とゆっくり飲むのも久しぶりだ、嬉しいな」と言ってくれました。住職歴も38年になるので、これまで手伝ってもらったお寺の行事や水害に遭ったことなど、共通の思い出話がたくさんあります。不思議なことに、私以上に爺ちゃんの記憶がしっかりしていて驚いたり、そこまで思っていてくれたのかと感激したり、楽しい酒でした。

伝えきれない

以前はこうして、何かにつけ酒を飲む機会が多くありました。最近は農業をやめて勤め人になる人が多く、時間の制約もあり、私も忙しくなってそんな機会も限られています。それに今月還暦を迎えて、以前のようには体の無理がききません。

先日、55歳で亡くなられたご主人の埋葬に東京から来られた女性がありました。「夫の両親が勝手に決めたお墓で、しかも遠くて、ここでいいのか1年間迷いました。でもこうしてご住職のお話をじっくり聞けて納得できました。もっと早くにお話しできていていれば、こんなに悩まなくてよかったんですね」と、帰って行かれました。軒数が増えた分、皆さんとの心の距離が遠くなったようで心苦しく思うことがたびたびあります。

もう少し頑張ります

そんな距離を少しでも縮めたい、そう願って苦心しているのがこの『妙の光』です。毎月発行するお寺もありますが、妙光寺では手間と経費から、現状の年4回発行が精一杯です。

回感想を送ってくださる方もいれば、お知らせしたことを全く知らない方もときにはおられます。どうしたらもっと伝えられるか、いつも悩んでいます。嬉しいことに最近は編集、デザイン、発送と、大勢の協力がいただけるようになって、肩の力が抜けた感じです。

今回から、平成3年の復刊以来続けてきた、「あんのんのページ」をなくしました。安穏会員も檀信徒も、知りたい内容は一緒のようです。もっと妙光寺のこと、仏事のこと、様々な基本的なことが知りたいとの声に応えたいと考えたのです。皆さんが知りたいであろうこと、お寺がお知らせしたいことはたくさんあるのですが、文字が多くては読んでいただけない難しさも同時にあります。これからも、工夫していきたいと思っています。

住職定年の歳≠ニ心に決めていた還暦を迎えましたが、準備が整いませんでした。さらに来年は妙光寺開創700年の大行事を皆さんと一緒に催させていただくことが決まりました。年相応に力を抜いて、その分をお手伝いくださる方々に甘えて、もう少し頑張ることにしました。これからも親しくお付き合いを願いします。

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